『ドリルを売るには穴を売れ』マーケティングの基本を勉強するための1冊
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企業経営において、マーケティングの知識は欠かせません。
ただし正解はなく、不確実性も多分にあり、難しい世界ですよね。
tabinchuuuもコンサルティング営業マンとして、マーケティングの勉強中ですが、その中でこの本に出会い、本質を理解することができました。
備忘録も兼ねて、要点をまとめたいと思います。
ドリルを売るには穴を売れ 佐藤 義典 青春出版社 2006-12-23 売り上げランキング : 1923
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1. ベネフィットとは「顧客にとっての価値」
顧客は「ドリル」を買っているのではなく、「穴を開ける道具」を買っている。
顧客にとってはドリル自体ではなく、ドリルが開ける「穴」に価値がある。
tabinchuuuは広告のコンサルティング営業をしているので、この言葉がとても深く心に刺さります。
我々は常に「顧客が何に価値を感じるのか」を考えなければいけません。
お客様によっては、売上を最大化するために広告掲載いただくこともあれば、知名度を上げる目的の方もいらっしゃいます。
前者の場合、広告掲載による売上アップが達成できなければいけません。
しかし後者の場合、知名度が上がれば売上アップはそれほど気にされません。
さらに突っ込むと、お客様にとっては売上が最大化できれば、その手段が広告掲載でなくても良いとも言えます。
さて「価値」とは何か。本書では「人間の欲求・欲望」と語られます。
マズローの欲求5段階説を修正したアルダファー氏が唱えた「ERG理論」で説明されています。
- 生存欲求 (Existence -生存)
- 社会欲求 (Reelatedness -他人との関係)
- 自己欲求 (Growth -成長)
これらの欲求を満たすために、人間はお金を払って何かを買います。
反対に何かを売るためには、いかにこれらの欲求を満たせるかを考えなければなりません。
2. 「セグメンテーションとターゲティング」でターゲット顧客を狙う
求めるベネフィットや価値は顧客によって異なるため、セグメンテーションで顧客を分けて、それぞれの価値を実現する。
市場規模や自社と競合の状況などを勘案し、ターゲティングする。絞らなければ、誰にも売れない。
これは会社の経営戦略のような話ですが、個人の営業でも使えます。
tabinchuuuは100店舗ほどのお客様を担当していますが、それぞれ求めるベネフィットは異なります。
そのためできるだけ多くのお客様にご満足いただけるよう、かつ自社の売上を最大化できるよう、適切なセグメンテーションとターゲティングが必要となります。
さらにはお客様のお客様にも目を向け、お客様のセグメンテーションとターゲティング戦略を理解した上で、ご提案が必要となります。
tabinchuuuの仕事で活かすとすれば・・・しっかり考えないと難しいですね(汗)。
3. 競合との差別化
顧客に業界の垣根はない。
マクドナルドのハンバーガー市場におけるシェアは70%超だが、顧客は「ハンバーガー業界」に拘っていない。ファストフード・カフェチェーン・コンビニなどとも競合している。
仕事では、あなたも「〜〜業界の競合他社の〇〇が・・・」と話していると思いますが、お客様にとっては関係ないのです。
例えば、tabinchuuuにとって広告業の他社だけが競合なのではなく、「お客様の売上アップを達成する会社」全てが競合になります。
では競合よりも高い価値を発揮するための「差別化戦略」の考え方とは?
- 手軽軸
早さ、安さ、近さや手軽さでの差別化、夕食で例えると「ファストフード」 - 商品軸
とにかく良い商品やサービスでの差別化、夕食で例えると「高級フレンチレストラン」 - 密着軸
顧客に密着することでの差別化、夕食で例えると「いつものお店」
この差別化軸のどれかに絞って、顧客に提供するベネフィットやターゲットを絞る必要があります。
4. 4Pに基づき顧客に価値を届ける
4Pの一貫性、さらには差別化戦略との一貫性がとても重要。
マーケティング戦略で超有名な「4P」は既にご存知だと思いますが、
- Product (製品・サービス)
- Promotion (広告・販促)
- Place (流通・チャネル)
- Price (価格)
最も重要なことは、その全てに一貫性があることです。
例えば、吉野家の牛丼がデパートで3,000円で提供されていたら、あなたは行きますか?
4P全てに一貫性があり、それが差別化戦略に沿っている状態ができてこそ、戦略的なマーケティングを行うことなのです。
本書ではストーリー仕立てで、マーケティングについて分かりやすく説明されており、とても学びが多いです。
特に「顧客が何に価値を感じるのか」を常に意識することは、普段の営業現場でも気を付けたいと思いました。
業種問わず、特に営業の方にはマーケティングの知識が必要になると思うので、まずはこちらの本から勉強してみてはいかがでしょうか?
ドリルを売るには穴を売れ 佐藤 義典 青春出版社 2006-12-23 売り上げランキング : 1923
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